戸坂十二神祇神楽

  「戸坂十二神祇神楽」の伝承
 三宅神社の秋季大祭前夜(夜頃)には、かがり火をたいて「戸坂十二神祇神楽」や「吹火」、「傘火」などと呼ばれる花火を奉納する習わしが明治の半ば頃から伝えられてきました。
 それは、悪疫を払い五穀豊穣を祈願した素朴な農民生活信仰の中に生れ、人々の限りない愛情によって伝承されてきた貴重な郷土文化の一つといえます。

  「戸坂十二神祇神楽」のはじまり
 明治十年(1877年)頃、狐瓜木地区の若連中が山県郡殿賀村(現在の山県郡太田町)の殿賀舞を、山県郡壬生村(現在の山県郡北広島町壬生)で壬生舞の伝授を受け、明治十四年(1881年)狐瓜木神社に奉納したのが始まりとされており、その後各地区の若連中の間で広まったといわれています。昔は狐瓜木神社と三宅神社のそれぞれで舞われていましたが、現在では三宅神社のみとなりました。

   「戸坂十二神祇神楽」の演目
  神楽の演目は昔は十数演目あったとされていますが現在では「神降ろし」、「煤掃き」、「刀舞」「長刀舞」、「関(世鬼)」の舞の五演目を出江、大上、数甲、惣田、山根の五地区が毎年順送りで舞っています。また出江地区が毎年舞う「大鬼小鬼」を合わせると現在六演目が継承されています。

花火


神楽の合間に花火 「傘火」「吹き火」が行われ 大祭前夜を盛り上げています
 

 傘 火
 棒の先端に付けた花火に点火し棒を回すことで火花が周囲に飛び散り,傘を開いたように見えることから傘火の名称が付いたものと思われます。


 
 吹き火
 勢いよく上空に吹きだす花火は秋の夜空を彩ります。これらの花火は決して派手さはありませんが,製法が郷土で伝承され郷土の人の手で作られ,郷土の人が打上げるこの花火は,神楽と調和して観客を十分楽しませてくれます。

神降ろし


神降し
 舞台に神々の降臨を願う神楽です

煤掃き


煤掃
 神々を迎えるため、舞台を掃き清める神楽です

刀舞


刀舞
 4人の武者が戦いの準備をしてる様子の神楽です

大鬼小鬼


                                        大鬼小鬼
  天照大神が天の岩戸にお隠れになり、世の中が暗闇になった時、大鬼が数匹の
小鬼をつれていたずらを始めたので、杵築大明神と芝郎が退治する神楽です。

長刀舞


 刀舞
 薙刀を振り回し自分の強さを見せつける神楽です

関(世鬼)



 関舞(世鬼)
   荒平の舞いとも呼ばれ十二神祇神楽を代表する神楽で、各地区は衣装、面などには
  特別にこだわり金銭もかけております。
   世の中で魔法の杖をもって暴れ回っている荒平を、知恵者太夫が杖を取り上げる
  物語の神楽です。