井原地区の概要

 井原地区は、広島市の中で最東端の内陸に位置する、緑豊かな自然に囲まれた農業地域です。
 「荒谷山」の東南麓、「三篠川」のつくる谷筋と、その支流「栄堂川」の下流域に主な集落があり、
他の中山間地域と同様に少子高齢化が進む中にも、およそ1千人の住民が暮らしています。
 
 井原地区のシンボルとして、太古から崇拝の山とされていたと伝わる「神ノ倉山」がそびえており、
個人所有の山でありながら、昭和の時代から山頂周辺に公園が整備され、井原地区の住民はもとより、
市内外からの登山客・ハイキング客を広く迎えて入れられ、親しまれています。
 
 この神ノ倉山と荒谷山には、ハンググライダー・パラグライダーのテイクオフポイントが整備されており、
天候の良い休日には数多くの機体が井原地区の空を彩っています。

 また、神ノ倉山と荒谷山の山頂付近では、秋から冬の早朝を中心に雲海を見ることができる日があり、
雲海がかかる山々の光景は瀬戸内に浮かぶ島々を想起させ、大変幻想的です。
 特に荒谷山テイクオフポイントでは、満天の星空から朝日が昇ってくることで、
徐々に夜が明けていく大自然の美しさを感じることができ、全国から多くの写真愛好家が訪れています。
 神ノ倉山でも雲海は鑑賞でき、荒谷山とは異なり、背後から日が昇っていく立地条件にあることから、
気象条件によっては自らの影に虹の輪がかかる神秘的な「ブロッケン現象」が見られることもある。
 さらに神ノ倉山では、テイクオフポイントや山道でのカーブなどの地点から、
沈んでいく夕日とともに町並みでの町灯りが灯る様子も見ることができ、
自然の中に暮らす人々の日々の営みを垣間見ることができます。

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【神ノ倉山テイクオフ場からの井原地区の遠景】
※正面ほぼ中央が、荒谷山テイクオフ場
神ノ倉山からの井原地区の遠景

【荒谷山テイクオフ場からの井原地区の遠景】
※正面やや右側が、神ノ倉山テイクオフ場
荒谷山からの井原地区の遠景

■地区内の集落
地区内には、17を数える集落があります。
例年9月に開催される井原地区の体育祭では、4つの色に区分して競技が行われるため、
地元の人はこの4つの色で地域を呼ぶこともあります。
【白】明神、高瀬、江地、見張、大寺、山根
【黄】下市、中市、上市(一区・二区)
【赤】甲田、小田、日詰、戸石
【青】新宮、迫田、沼、中束

井原地区のマップ(簡易版).pdf


■JR井原市駅
JR芸備線がほぼ南北に縦断しており、地域の真ん中あたりに「井原市駅」があります。
急行列車は停まらず、普通列車のみが停まる無人駅です。
小さな駅舎の中には券売機はありますが、トイレはありません。
白木中学校や沿線の高校等に通う子供たち、地域の通勤者や通院者、そして神ノ倉山等を訪れる登山客などにとって、
貴重な交通機関となっています。
(参考)井原市駅|時刻表:JRおでかけネット (jr-odekake.net)

■主要な道路
広島市南区と三次市を結ぶ「広島県道37号広島三次線」が三篠川沿いに縦断するとともに、
井原地区の中心あたりで安佐北区大林町から広島市・安芸高田市境に沿って伸びている「広島県道68号大林井原線」が
井原地区の中心あたりで結ばれており、古くからの交通の結節点となっています。

■路線バス
芸備線と並行する「広島県道37号広島三次線」を走る広交観光の「井原線」と、
「広島県道68号大林井原線」を走る備北交通の「高田南部線」という、大きく分けて2つの路線があります。

(1-1)広交観光「井原線」(新玖村橋~上井原系統)
JR芸備線・玖村駅周辺から高陽地区を経由して白木町内を巡り、井原地区に至る路線バス。
芸備線と並行する路線ですが、バス停が細かく置かれているため、芸備線では歩く必要がある町内の地域に行く際には便利。
(1-2)広交観光「井原線」(上井原~北部医療センター系統)
井原地区から白木町内を巡り、高陽地区を経由して、可部の北部療養センターに至る路線バス。
土・日・祝日は運休となる。
(2)備北交通「高田南部線」
安芸高田市吉田町から、JR芸備線・向原駅を経由して井原地区に至り、志屋地区を経て、
可部の北部療養センターに至る路線バス。
日・祝日は運休となる。
路線バス – 備北交通株式会社 (bihoku.co.jp)


出典
【国土地理院】広島県 市区町村の役所・役場及び東西南北端点の経度緯度(正解測地系)
広島市の東端(緯度 132°41′39″E 、経度 34°35′02″N 安芸高田市向原町有留と接する地点)
(参考:広島市の北端は、安佐北区安佐町鈴張にある)
広島県の地名:日本歴史地名体系35(平凡社)