阪神大震災や東日本大震災などの教訓は、広い地域で同時に発生する災害に対しては行政・消防署などはとても手が回らず、緊急の対応はほとんど期待できないということで、救助活動の主役は一般市民とならざるを得ませんでした。

そしてこのような事情は今後も大きく変わることは望めそうにもありません。

このような災害から私たちの身を守るためには、「自分の身は自分が守る」ことを基本とし、「危険を感じたら自主的に躊躇なく早く安全なところへ避難すること」、「隣・近所が呼びかけ合い、助け合って避難すること」、これが一番大切だと思います。

五日市観音地域には、五日市断層帯が走っていまして、マグニチュード7.0の直下型の大きい地震が発生する可能性があるとされています。900年~1400年ぐらい前に発生したことがあるということで、いつまた来るかは全く予測されておりませんが、最近の巨大地震の頻発はちょっと不気味な感じもします。瀬戸内海には大きい津波は来ないと云われています。しかし、これまでの想定をはるかに超える津波が来ないと云う保証はありません。

ここ最近は、例年になく記録的な暑い日があったりして、地球は温暖化が進んでいるのか進んでいないのかよくわかない、といった気もしますけれども、地球温暖化は一様に温度があがるのではなくて、気象活動の活発化をもたらし、その結果として、局地的、一時的には異常に寒くなることもありますけれども、全体的には温度があがって異常気象が進んでいくと言うことになるようです。

地震や豪雨災害に十分注意しなければならないことを胸に「自分たちの身の安全は自分たちが守る」を基本にみなさんと共に力をあわせて、災害防止活動を進めていきたいと思います。

五日市観音自主防災会連合会

会長 伊藤貞夫


自主防災会連合会設立経緯

 五日市観音学区の各町内会に自主防災会ができたのは昭和61年ですが、翌年の昭和62年の4月にこれら自主防災会を連合した五日市観音学区自主防災会連合会が設立されました。現在は15の町内会自主防災会が加盟しております。

自主防災会連合会の活動

 自然災害の被害を最小限に軽減させる「減災」には、公共機関による「公助」に加えて自分の身は自分で守る「自助」、および、地域住民相互による援助である「共助」が重要であります。
 自主防災会は、このうち、「共助」のための組織となるもので、「自助」を行なう住民一人ひとりを支える地域における基盤的な組織となるものであります。
 自主防災組織は大規模な災害が発生した際、地域住民が的確に行動し、被害を最小限に止めるいわゆる「減災」ため、日ごろから地域内の安全点検や住民への防災知識の普及・啓発・防災訓練など災害に対する備えを行います。また、実際に災害が発生した際には、初期消火活動、被災者の救出・救助・情報収集、被害拡大防止活動や避難所の運営などの幅広く活動を行うことにしています。


自主防災会連合会の組織

 自主防災会連合会は、自主防災組織として「共助」の役割を十分認識し、「自分たちのまちは自分たちで守る」という気概の元に、災害時のみならず平常時においても、災害に備えた活動をしていくことにしています。
 五日市観音学区自主防災会連合会では、実際の災害に備え、組織を運営協議組織と災害対応の防災活動組織に区分して対応することにしました。
 運営協議組織は町内会長(自主防災会長)を主体とし広く地域関係者で構成しています。
 防災活動組織の構成メンバーには適材を配置するものとし、各団体の長(町内会長など)はそれぞれの立場で指揮を取る必要が考えられるので原則として除外しています。


自主防災会連合会の主な活動の経緯

 平成11年6月29日の豪雨災害をきっかけに、活動内容、組織体制などの見直しを逐次実施しております。

平成15年度に初版の防災マップをA4版で作成しました。平成19年度に内容を見直し、大きさもA3版の大きさに変えて見やすいものとし、20年3月に地域の全世帯に配布しています。

その後、土砂災害防止法に基づいて、五日市観音学区においても警戒区域、特別警戒区域が23年5月30日付けで指定されたことや災害の種類に応じた避難の仕方や避難場所の見直しが必要であることなどから、平成23年度から更なる改定作業を行っています。


生活避難場所運営マニュアルの制定

平成15年度に生活避難場所の運営に関するマニュアルを制定し、これに基づく避難訓練を主体としまして佐伯区総合防災訓練を当連合会が引き受け、総勢1000人近い規模の訓練を実施しております。その後も時代の変化を受け若干の見直しをしてきましたが、平成22年度に生活避難場所として、五日市観音小学校体育館に加え広島工業大学の体育館が追加されましたこと、五日市観音西学区との共同運営などの課題が持ち上がってきていますので、早急にマニュアルの見直しが必要となっています。


防災マニュアルの制定
平成21年度に防災マニュアルを新たに制定し、平成22年度に防災会役員を対象に研修会を開いています。


防災訓練の定期的実施
毎年6月に自主的に定期的な防災訓練を実施していますが、平成16年度に生活避難場所運営マニュアルの検証を兼ね、避難訓練を主体にした佐伯区総合防災訓練を五日市観音学区が引き受けて実施しています。
  3~4年に一度は避難訓練を含む防災訓練を実施することにしていて、平成16年度、20年度、23年度に実施しております。

 
 


リーダー懇談会
自主防災会員と消防署職員の交流の場として、年一回定例的にリーダー懇談会を開催して、災害の発生状況の報告や意見交換等を実施しています。
リーダー研修会参加
防災リーダーの研修として、次のような各種防災関係研修会等に参加しています。

    ○心肺蘇生法、AEDの使用法講習会等

    ○広島市総合防災訓練参加

    ○佐伯区総合防災訓練見学

    ○自主防災フォーラム

    ○防災リーダー講習会

    ○応急手当普及サポーター講習会

    ○その他

佐伯消防署からの表彰状授与
 平成16年3月7日、および平成21年3月6日に佐伯消防署長から感謝状をいただいています。地域のみなさんの防災活動に対するご尽力の賜物だと深く感謝申し上げます。