らくらくえんオフィス協議会からのお知らせ    H29/11/1

1999年10月から電動車いすの貸し出し活動を続けてきましたが、このたびH29(2017)年10月31日をもちまして、活動を中止することになりましたので、お知らせいたします。
ご利用者の皆さまには、長らくのご愛顧誠にありがとうございました。

らくらくえんオフィス 14年間の歩み

最終回 らくらくえんオフィス ―14年間の歩み―      H26.9.20

(その7)に続いて、今後の展開と課題について、順不同ですが、述べます。

・アクセスの確保

オープン1年後より徒歩15分圏内はドアー・ツー・ドアーサービスを実施しているが(スタッフと協議のなかで、片道30分程度まではとの意見もあったが、日中34度の真夏での往復30分が限界と判断した)圏外の方々への対応が課題である。デイサービスセンターとの連携は、オフィスまでデイの車で来ていただくことで解決しました。介護タクシーとの連携を図りましたが(3者)実績がなかなか付いてこないのが現実です。知恵を出し合って前進を図ります。

・オフィスネットワークの構築

人にやさしいまちづくりに挑戦する夢物語りの一つは電動カートで2030分のところにあるコイン通り商店街やJR五日市駅前等へのオフィス設置です。

今迄、12回先方の関係者と話し合うチャンスがあったのですが、色々事情があって前に進んでいません。当方のパワーや財政的な面がネックの一つです。

・市民権の獲得

サービス開始(1999, 10, 252ケ月後、広工大福田ゼミ生Kさんの卒論の一環で、楽々園町内会住民ヘアンケート調査を実施しました。タウンモビリティの認識度、必要度、支持度ともに充分なレベルに達しているとは言い難いとの結論でしたが、14年を経た現在少しは上がっていると思っております。

電動カートは、介護保険でのレンタル使用と相まって当地区では認知されておりますが、タウンモビリティという貸出しシステムがどれだけ理解されているのか、つまり市民権を得てるのか(現在でもスクーター価格などの質問が多い)。確信が持てません。

・「人がやさしい」まちづくりに挑戦

「人にやさしいまちづくり」いう言葉を聞くと先ずハード面(例えば道路の段差や傾斜等)に視線がいくのですが、ハードの改善だけではまちはやさしくならないとTM事業を取り組んで気づきました。

不法駐車や駐輪、歩道を猛スピードで走る自転車、生活道路をわが道のように走る自動車等々上げればキリのないマナーの悪さはなかなか解消されません。

どうすれば良いのか。スタッフ達と話し合いをもち、「やさしいまち」とはハードとソフトが車の両輪でなければならないのではないか。我々はソフト面の改善に取り組もう。

地元楽々園小学校の「総合的な学習」に積極的に取り組んだのは、子供達の思いやりや心の豊かさを少しでもはぐくむことに成るはずだとの思いからです。延べ9日間(オリエンテーション、車いす体験、まちのバリアフリー調べ、マップ作り、発表会)毎回約10名で実施。8年間続いています。町中で突然熊谷さんと声を掛ける児童に時々会います。何?と答えると、総合学習でお世話になりましたと挨拶してくれます。子供からその親へ広がっていくことを期待しています。

また、子供目線のまち探検は、我々の活動に大変参考になっています。

・人材と財源

「まちづくり」を進めていくには、人材、財源、拠点の3点がトライアングルでなければならないと思っております。当方では、拠点は広電ストアーのご支援で解決済ですが、人材と財源は避けることの出来ない課題です。

スタートから中心となって取り組んだ旧「楽」(6名)のメンバーは、現在5名が残っており、私を除いて個々の事情により日常業務(月、水、木、金曜日オフィスヘ出勤?)でなく、イベント中心となっている。幸い、その後参加した4名と日常業務は問題なく運営出来ている。登録上あと5名いますが、不定期でパワーが多く必要な時連絡している。この現状で満足はしてませんが、常に新しい血を入れる努力は必要だと思っております。

最後に財源について

(その7)運営経費の収入で、昨年度までは支援金(寄付)募金約45%、助成金(広島県共同募金会)約35%、自主売上約20%でしたが、本年度(2013年度)から共同募金会からの助成が無くなりました。

15年前のスタート時に使用した電動スクーター5台は、10年目ぐらいからうち2台が不具合(起動が掛からない。走行中スピートが落ちる等)となり使用中止となった。(導入後10年間は年1回の保守点検を実施)

2010年から国・民間団体へ毎年2件ずつ助成申請(約200万円)をしましたが、全て不交付でした。(広島市へはかって2件申請したが不交付)

2011TM楽会のHさんのご好意により、車体は2006年と2008年製ですが、殆ど使用された実績のないスクーターの寄贈を受けました。(バッテリーは取替え)

長期使用スクーターの機能劣化による電動カートの定期的な購入手段の確保が急務となっています。

 

まだお話したい件はあるのですが、以上で終わります。広島へお越しの節は是非とも我がオフィスを覗いて下さい(電話 082-943-8246-サービス時間帯には誰かいます)
                                        (熊谷 憲二

第7回 らくらくえんオフィス ―14年間の歩み―      H26.8.23

運営経費

・オフィス経費 建築費を含め、空調機、事務机(車いす対応)と椅子(4脚)、厨房、電話機(使用料含め-広島市内以外は発信出来ないよう交換機の方で操作)と賃貸料は広電ストアーの負担である。

・ランニングコスト 電動カートに係わる経費 ①損害保険(5台で3万円強-1年掛け捨て)②定期保守点検(5台で15千円強 2009年度で終了③バッテリー交換積立金(72千円/年)

オフィス運営費 ①電気代②通信費③清掃費④イベント費用⑤備品⑥事務費⑦茶菓子⑧コピーなどの雑費等で、ボランティアに係わる費用は保険のみである。これらの費用負担は協議会で賄っている。

・収入      地元各種団体と個人の支援金(寄付)、利用者のお心づけ、募金、自主売上げ(講師代、講演会等の謝礼金、イベント協力費、総合学習指導、原稿料、電動カート紹介手数料等)に8年間は広島県共同募金会の助成を受けた(2013年度は不交付)。

極力経費節減を心掛けているが、年2530万円はキープしたい。

運営状況

2013年度の幹事会資料(2013,10,10)より抜粋して報告します。

1.時期 1999,10,252013,10,101411ヶ月)

2.サービス日数 1986日(雨//雪による319日の休業日は含まない)

3.利用回数   8,664回 4,4回/日(30分以上)

(平成22年度4,4回/日、23年度4,8回/日、24年度4,5回/日)

4.利用者数   2,187名(30分以上)

(平成22年度102 名増加、23年度39名増加、24年度195名増加)

5.会員数     65名(2013,10,10現在)

6.主な利用先   買い物(41%)まちの散策(25%)公共施設(10%)イベント(13%)通院(11%

7.ボランティア

稼働状況   半日平均2

8.会員の年齢  65歳以上 80%

今後の展開と課題

市民主導型の「らくらくえんオフィス」は周辺住民利用型としてスタートし、15年目に入った。(その6)までお話しました活動・運営するなかで、いろいろと浮かび出た今後のあるべき活動のあり方と課題について気づくままに述べます。

・思い

(その4)でのオープニングセレモニー挨拶原稿に述べた思いは、今でも変わっておりません。このまちに住んでて良かった。その為には、人にやさしく、人がやさしいまちにしようとの日標に少し近づいたかなあと思っております。

ボランティアとはよく世のため人のためと言われますが、それに自分(達)のためを加えるべきだと考えております。

オフィスやイベントでの活動は、世のためとか正義感とか利用者数をもっともっと増やさなければとか、肩肘を張っていては、果して今日まで継続できたのか自信がありません。いつも楽しく、自分達の生き甲斐のため、今は予備軍でいつかは利用者側に回るんだと気軽に考えて進めております。

とは申しても、この14年間運営していく中で何時も順風満帆ではなく、理念の一つである、「輪を広げよう」がどうなのか、「自ら汗をかこう」は果してかいていたのか。また、財源や人材等々はどうなのか。つづきは次回(最終回)で述べます。                     熊谷 憲二

第6回 らくらくえんオフィス ―14年間の歩み―    H26.7.26

 運営内容 (第5回の続き)

 ・ミニミニサロン

事務所は狭いが、56人座れ、スクーターを利用される高齢者(利用無くてもご近所の方々も)や障がいのある方々の溜まり場になっている。茶菓子をサービス用に備えている。

・オフィスボランティア(スタッフ)

スタッフの主な業務は、電動カートの操作指導、介助、接客、事務、会話、清掃、利用者勧誘、会計(専任)、イベント準備等々。

旧「楽」のメンバー6名を中心に現在14名が登録されている。スタート時は約30名(ある市民グループより20名の方が1年契約で参加)でしたが、日常業務は2名駐在で充分です。〔電動カートは操作指導後、1人(介助の希望がないかぎり)で操作して頂く-自立を促す、プライバシーを侵害しない車いすも当初はスタッフが介助したが、希望がないかぎり家族やヘルパー等の付き添いの方にお願いしている。

スタッフは時間があれば、町中をスクーターで回遊する。

らくらくえんオフィスとその周辺

・トイレと車いすマークの駐車場

トイレ(車いす対応も含めて)は隣接しているマダムジョイ(食材売り場)の入り日付近オフィスより約30メートル)。車いすマーク駐車場はオフィスより0メートルで4席ある。

・広電ショッピングセンター(広電FamilyTown楽々園)

食材館、専門館(衣服、本、玩具、雑貨等々)、ホームセンター、電気量販店、銀行があり、約1000台の駐車場と車いすマーク付きは18席ある。年12回休館があります。

・楽々園周辺のバリアフリー化

第3回で述べましたように、オフィスオープンに併せて段差解消等がなされ、その後、順次バリアフリー化が進んでいる。ただ歩道の波うち、極端な傾斜(自動車の出し入れの為)は解消されてなく、住宅地内でのTM事業展開の難しさがうかがわれる。

・広島電鉄グリーンムーバー

低床電車の導入が進み、車いす等での移動がスムース。

・オフィスのレイアウト

5坪が事務所事務机と3人掛けのソファー、椅子は4席、簡単な厨房、書棚、鍵付き収納庫、火災・防犯センサー(3年前設置)で残り5坪は電動カート(充電用コンセントは床より5 0 ㎝の高さ)車いす、ベビーカー収納と棚、服掛、冷蔵庫、ラジオ、ひやりマップ(壁に掲示)町内会所有の拡声装置(預かり)等々です。
                                (熊谷 憲二)

第5回 らくらくえんオフィスの活動内容      H26.6.19

地域住民を中心に立ち上げたオフィスは、直接的な公的援助を受けず、19991025日より当面は半径l kmをサービス範囲として〔何回か操作指導を行い、この人はお一人で操作OKと判断した場合は半径5 km(約1時間)程度の走行を認めると共に会員登録をお勧めしている〕サービスを開始した。

サービス開始に先立って準備したことは以下の通りです。(タウンモビリティと賑わいまちづくリ-学習出版社、1999の巻末も参考にしました)

  ・ボランティア日程表
  ・ボランティアの心得
  ・オフィス運営規定(運営中に
5回訂正追加をしている)
  ・利用者の使用状況
  ・日誌ノート
  ・会員申込書(半年後、手続きが複雑の為、簡素に訂正)
  ・タウンモビリティ利用の決まり(拡大して後壁に掲示)
  ・募金箱・鉢サイズの花木(
7個)
  ・ダスキンマット等清掃用具
  ・冷蔵庫(小型)
  ・事務用具と収める箱(スタッフの手作り)
  ・備品棚
  ・服掛け
  ・ユニホーム(運営
2年後)等々

運営内容

・サービス曜日    月、水、木、金(サービス開始半年後に木曜日を追加)雨天中止

・貸出し受付け時間帯 10時~14時(原則12時間以内)

・使用料       無料〔電動カートは2時間以上使用される場合 100円(サービス5年後に決定)〕但しお心づけを募金箱にお願いする

・使用機器      電動カート 5台(当オフィスは電動スクーター)-4台は厚生省外郭団体福祉・医療事業団よりTM楽会が助成を受け、4台購入し、当オフィスが譲り受けて使用。 1台は商店街寄贈で車体に商店街名寄贈のプレートを付けている。尚、電動カートについては、あらためてお話しいたします。手動車いす 6 2台は区社協より借用 2年後に地元企業よりの2台寄贈 1年前に学区社協より2台。ベビーカー2台(7年前より)。

・位置確認用携帯   5オープンして約6ケ月後にドコモショップ楽々園より無償提供を受けた(機種はPHS)スクーターの車体に3枚の広告プレートを付けた-(動く広告塔)約7年間使用した。その後3台のかんたん携帯を揃えて2年間活用したが、2009年に廃却した(この頃になると高齢者でも5人に4人は持参)

・地元イベントでの体験会  4月造幣局「花のまわりみち」5月学区フェスティバル〔このイベントのみ小学4年生以上(エスコート付き)にも体験させる〕9月福祉・健康フェスタ10月公民館まつり(スタッフの研修も兼ねる)6月と12月オフィス前で実施3月福祉のまちづくりの集い等年78回実施。

・デイサービスセンターと連携  近くの施設と連携してお買い物に電動カート等を貸出す(イベント時も同様)。真夏や激寒は外出を控え実績無し。

・ドアー・ツー・ドアーサービス  徒歩15分圏内(約l km)で事前予約が必要。            熊谷憲二

第4回「らくらくえんオフィス」の誕生 一 サービス開始  H26.5.25

第1回から第3回迄で、らくらくえんオフィス協議会が立ち上がる迄の経緯を述べました。まだまだお話したいことは沢山ありますが、またの機会とさせていただきます。

1023日に佐伯区長、広電ストアー専務(Mさん―現在広島電鉄社長)、町内会連合会長、商店街理事長、民生委員会長とTM楽会や屋根裏の会と「楽」(協議会発足に伴い解散)のグループ・メンバー等が出席して簡単なオープニングセレモニーを催した時の私の挨拶文を記載します(私の思いを伝えたつもりです)



オープニングセレモニー時の挨拶

お早うございます。昨夜、らくらくえんオフィス協議会の設立総会を開催し、出席者、全員一致で会が設立されましたことをまずご報告致します。

思えば、約2年前、広電ストアーの担当の方と区役所でタウンモビリティについて語りあったことが、昨日のことの様に思われます。

今年の3月、地元の各種団体の方々に「タウンモビリティの実現に向けて」検討会を開きたい。お知恵を貸してください、一緒に考えましょうとお呼び掛けをさせていただき、4月から始まった検討会も9回を重ね、今日を迎えました。

私達の検討会にタウンモビリティ楽会、建築士会広島まちづくり委員会、広島工大の学生さん達やそのほか、いろんな方々にご支援をいただきましたことを、この席をお借りして御礼申し上げます。

さて、このようなりっぱなオフィスが、広電さんの絶大なご支援のもとで出来上ったのでありますが、運営に携わる人達はすべてボランティアです。

幸い延べ三十数名の方々の登録をいただいております。当面は月、水、金の週3日間オフィスを開きますが、ボランティアの更なる登録をいただき、サービス日数を増やしていく所存であります。

スクーターを利用してみようと思われる方々は今日ご臨席の方々をはじめ、約二十名の方々の登録をいただいております。今日ご出席の地元の方々におかれましては、ご近所に、またお知り合いに、足が少し悪く、歩くのに苦しんでいらっしゃる方、家にこもりがちになっておられる方々に、スクーターに乗って遠くへ行こう!ショッピングを楽しもう!海をみよう!水鳥をみよう!通院に使おう!区役所に行くのにも使おう!と是非お誘いを致していただきたく思います。

私共もこのショッピングセンターに来られる方々をはじめ、町中をスクーターに乗りまわして、これPRに努めてまいります

お勧めしていると、「スクーターに乗ると足が弱る」とよくいわれます。然し、ある報告によると、全く逆で目的地についてよく歩くようになったとあります。行動範囲が乗ることによって数倍増えるんですね。また、乗ることにより適度の緊張感がうまれ、物忘れ防止になるとも言われています。

「人にやさしいまちづくり」を目指し、今日がそのスタートに立ったと思っております。お歳をとった方々や障がいをもった方々の自立へのお手伝いが少しでも出来れば幸せです。高齢社会を迎え、お歳をとった人達が、かつての自分を取り戻し、イキイキと買い物や町を散策されている光景を夢みております。「楽々園に住んでて良かった」と言われることを目標に協議会のメンバー一同は努力することをお約束致しまして、開会の挨拶と致します。     熊谷憲二

第3回 タウンモビリティ(TM)の実現に向けて               H26.4.26

第2回で述べたWSには、毎回50名以上の地域住民の参加があり、TM楽会、市民グループ「屋根裏の会」、建築士会、建設省広島国道工事事務所、区役所、公民館中国地域づくりセンター、広工大生と地域住民などの協働のまちづくり事業でした。

このWSが今後展開していくTM事業の原点になっており、お蔭さまで今日まで継続できたと思っております。

19992月広電ストアーは増床計画のプレス発表を行ない、その資料の中で「施設全体をバリアフリーとするだけでなく、高齢者など歩行に困難を覚える方々の街歩きを支援するタウンモビリティオフィスを設置するなど、地域のボランティア活動と連携した社会責献を模索してまいります」と述べている。これでショッピングセンターの一角にTMオフィス(10)の設置が正式に決定した。

市民グループ「楽」(8名)は財政的にもパワースキルにおいても独自で当事業を運営するには無理があり、むしろ地元各種団体の同意と支援のもとで、初めて事業の継続が可能と判断した。

「皆さん一緒に考えましょう。お知恵を出して下さい。貸して下さい。」と呼びかけ19994月より検討会をスタートさせた。

主な出席者は、広電ストアー本店企画課長(Iさん)と楽々園店管理所長(現在は店長が業務)、商店街2ケ所の理事長、町内会、広工大福田ゼミ生、建築士会(前述のIさんと広工大Fさん―この2名がコーディネーターとファシリテイターを担当)地元の民生委員会会長、社協事務長、公民館、行政(広島市-オブザーバとして出席)、「楽」のメンバー、電動カートメーカー等の方々で、毎回10名~15名の出席者で賑やかに楽しく検討会を進めた。検討会は1022日まで延べ9回実施した。

この間に電動カート体験会(2)やトイレ設計のシミュレーション、電柱2本の移設とショッピングセンター近辺の段差解消やカーブミラーの新設と移設並びに商店街の段差解消(佐伯区土木課がWS報告書に速かに対応された)、ライオンズクラブや民生委員会等への出前説明会(中国地域づくりセンターSさん―TM楽会メンバーと一緒に)を数回実施した。

電動カートは自転車や自動車のように地域で認知された移動体ではなく、如何に認知を得るか、今から思うと最も苦心した感があります。どうすれば良いのか。「楽」のメンバーと話し合いを続けて、電動カートに乗って地域住民の目に少しでもふれるしかない判断し、8月初旬に開いた体験会以降、メーカーのご好意により23台の電動スクーターを借り「楽」のメンバーが町中を乗り回し、興味を示された方には説明を行った。

今日では楽々園近辺の地域では、認知されたものと思っておりますが、スタッフは時間があれば、町中を乗り回しております。同時に利用者への勧誘、ボランティアスタッフの確保、サービスエリアのバリアーチェックなどに努めた。

 

10229回目の検討会終了後、直ちに設立総会を開催し、らくらくえんオフィス協議会が発足した。(会員23名)        熊谷憲二

第2回 人にやさしいまちづくり活動一市民グループ「楽」    H26.3.26

第1回で、TM取り組みへのきっかけを一部述べましたが、まとめると①障がいのある方の外出への思い②ショッピングセンタ一の増床計画③TM楽会との出会い④地域の少子高齢化(町内会長の経験)⑤TM楽会を初め、広島市まちづくり未来大学修了生や市民グループとのネットワーク⑥立地環境等である。

 

いきなり地域住民の方々に「TM事業を始めます。興妹のある方は協力してください」と訴えてもまず集まらないだろう。そこで、地域住民が電動力-ト等を活用して我がまちを点検し、楽しみながら課題や今後の展開について話し合う場を設けることにした。

 

TM楽会、区役所、建築士会まちづくり委員会、公民館、広島工業大学のメンバーと2ケ月程検討し、地域住民を対象としたワークショップ(以下WSと表現)を実施することになった。

 

事業名は「わがまち探偵団-みんなできづく、まちのやさしさ」と決め、5回のWSを1998年8月~10月に掛けて実施した。①講演会―すべての人にやさしいまちとは②地域住民によるひやりマップ作成③電動力-ト等によるまち点検④まち点検マップの作成と発表⑤今までの活動の発表。
この5回のWSを通じて、すべての人にやさしいまちづくりを目指す市民グループ「楽」を結成した。高齢者の外出を支援し、かつての自分を取り戻して社会参加や自立を促し、まちをイキイキと活気づけよう。「楽」は次の目標と理念を掲げ、今回のWSのフォローを実施することにした。

 

【目標】   わがまちを誰にでも住みよく、すべての人にやさしいまちにしよう
(TM事業を半年実施した後、次のように一部変更した。)
-わがまちを誰にでも住みよく、すべての人にやさしく、人がやさしいまちにしよう-

【理念】   ①自らまちづくりに関していろいろなことを考えよう。夢を描こう。②自ら汗をかこう。③楽しくやろう。④輪を広げよう。

【WSのフォロー】

   WS報告書の作成(100部作成 町内会、広島電鉄、区役所等へ配布)

   花壇づくりグループの立ち上げ(楽々花グループが誕生)

   88ケ所ベンチめぐりマップの作成(まちの中で、ベンチや腰掛けられる花壇や車止めなど休める場所探し-2ルート作成)

   高齢者や障がいのある方の自立を手助けするTMを検討する。

熊谷憲二

第1回 タウンモビリティとの出会い       H26.3.3

1回 タウンモビリティとの出会い

 

タウンモビリティ(以下TMと表現)という言葉を初めて知ったのは1997年夏のことです。自転車で15分程度の所にある広島市西部障害者デイサービスセンター(知的障がい者)のボランティア教室に参加したおり、確か3~4回目の研修時、中国地域づくり交流会TM楽会のHさんの講義を受けた時です。

 

同じ時期、楽々園町内会長会議があり、広電ストアの増床計画の説明があった。この時点ではまだTM事業に取り組む思いは湧いてこなかったが、デイサービスセンターでの研修が終了し、すでに活動している「ウエスト」というボランティアグループに参加して、週一のワープロ教室を担当し、知的障がい者とのふれあいを深めてゆくなかで、彼らが如何に外出を望んでいるか切実に感じ、障がいのある方や下肢の弱った高齢者が安心してまちに出かける何か仕掛けはないか考えるようになってきた。

1998年1月 広電ストアーの増床計画が決まり、同2月広島市佐伯区役所建築課へ安心して買物ができるよう建物のバリアフリー化を依頼、当時建築課長Iさん(TM楽会メンバー)達と話し合っているうちに「TM事業を始めてみてはどうか」とのことになり、イギリスでのビデオ(Iさんより借りる)や当時まちづくり推進課のYさん(イギリスへ前年度視察 TM楽会メンバー)よりショップモビリティの資料(英文が殆ど)を借りたりして検討を始めだした。

1998年3月 初めてTM楽会に参加し、3月の社会実験で電動カートに初めて乗り高齢者でも乗れると判断した。

1998年4月 TM楽会のKさんをはじめ、メンバーの方々と初めて楽々園近辺を電動カートを利用してまちを点検し、点検後区役所の会議室で夜遅くまで楽々園地区でのTM事業実施の可能性を協議しました。

協議した結果「よしこれならいける。住民も関心を持つに違いない。よし、やろう」。

 

決定要因の一つに徒歩15分圏内の立地環境が考えられた。ショッピングセンターに商店街。公共施設(区役所、公民館、スポーツセンター、交番、郵便局、小学校2校、中学校1校など)。広島電鉄電停2ヵ所。海老山公園に中小公園(12ヵ所)。病院(10ヵ所)等々、手軽に立ち寄られるポイントがあること。
足を伸ばせば(電動カートで約1時間以内)南には宮島が遠方に見える旧五日市漁港、北にはいにしえの道、西国街道に植物公園、東には八幡川河口を経てアルパークショッピングセンター、西には廿日市市が展開している。(
熊谷 憲二